就業規則を変更するには

こちらでは「就業規則を変更するには」という表題として、就業規則を変更しなければならない場合と就業規則を変更するための手続き、就業規則の不利益変更の注意点についてご案内させていただきます。

就業規則を変更しなければならない場合

会社の規模や業種、経営者の考えなどにもよりますが、就業規則を作成している中小企業において、就業規則で定めている労働条件は、労働基準法その他の労働条件に関連する法令(育児介護休業法等)で定められている労働条件にしていると思います。労働基準法第1条第2項にあるとおり、「労働基準法で定める労働条件の基準は最低のものである」ので、労働基準法が改正されて労働基準法で定める労働条件の基準が改正前の基準よりも労働者に有利なものになれば、必然的に就業規則も労働者に有利なものに変更しなければならないことになります。同様に、その他の労働条件に関連する法令が改正されれば就業規則も変更しなければならないことになります。

ところで、労働基準法をはじめとする労働関係諸法令は頻繁に法改正があります。日々の業務が非常に忙しい中小企業の社長様がそのような中でいちいち法改正があるかどうかを気にしている余裕は無いというのが本当のところだと思います。ただし、法律の適用というのは厳しいもので、「知らなかったでは済まされない」のです。例えば、毎年10月から11月にかけては地域別の最低賃金が改定されます。最低賃金は、最低賃金法という法律で定められているものですので、うっかり最低賃金を下回る時間給で計算した給与を支払っていた場合には最低賃金法違反ということになってしまい、最低賃金で計算しなおした賃金との差額を支払わなければいけなくなります。後からそのようなトラブルが発生して処理するのは、非常に手間がかかり大変です。

そのような忙しい中小企業の経営者の方がお困りにならないようにするために、当事務所では労働基準法その他の労働条件に関連する法令の改正など労働社会保険諸法令に関する法改正などのトピックスを発信させていただくサービスを顧問契約にて行っております。また、顧問契約を締結していれば事前に法改正情報とともに対応策も助言させていただきますので、前もって法改正に対応することができます。顧問契約は、毎月10,000円からご紹介させていただいておりますので、人事・労務に関する顧問契約の内容等についてご興味がある場合は、詳しくはこちらクリックしてご覧ください。

就業規則を変更する方法

実際に就業規則を変更する場合は、どのような手続きをとればよいのでしょうか?こちらでは、就業規則を変更する場合の手順や変更する場合の注意点などをご紹介させていただきます。

就業規則を変更する手順【手続き】

一般的に、就業規則を変更する場合は就業規則の変更案について、就業規則の変更について権限のある決裁者(代表取締役社長、取締役会など)の決裁を受けます。そして、当該決裁を受けた就業規則について、その事業所に労働組合がある場合には、過半数の労働者が加入する労働組合の意見を聞きます。その事業所に労働組合が無い場合には、労働者の過半数を代表する者の意見を聞きます。あくまでも意見を聞くことが要件となりますので、同意を得る必要はありません。意見については、「意見書」を記載してもらいます。

そして、この意見書を添付して、変更した就業規則を就業規則変更届とともに事業所を管轄する労働基準監督署に提出いたします。事業所控え用に意見書、就業規則変更届、就業規則をそれぞれコピーするなどして2部用意して1部に労働基準監督署の受付印をもらったものを返却してもらっておいた方が良いでしょう。
 

次に、就業規則を変更する際に注意を要する場合がありますので、そちらを紹介させていただきます。

就業規則を変更する場合に注意を要する場合

就業規則を労働者に不利益なものに変更(以下、「就業規則の不利益変更」といいます。)をする場合、労働者にとって従来の労働契約で定めた労働条件よりも悪くなるため、労働契約の変更合意を得るために、原則として、各従業員の個別の同意が必要になります(労働契約法第9条)。個別の同意に関しては、できる限り『従業員1人ひとりから個別に同意書をもらう』ことをすべきです。そして、あくまでも従業員が自らの意志で同意することが前提ですので、会社が同意を強制している場合は同意書自体が無効と判断されますのでご注意ください。

なお、個別の同意を得なくても良い場合が労働契約法第10条に記載されています。労働契約法第10条によると、「使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする。」となっております。この、『(就業規則の変更に係る事情に照らして)合理的なもの』というものが、平成9年2月28日に出された最高裁判所での判例では以下のように判示されております。

変更後の就業規則条項の合理性の有無は、具体的には、①就業規則の変更によって労働者が被る不利益の程度②使用者側の変更の必要性の内容・程度③変更後の就業規則の内容自体の相当性④代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況⑤労働組合等との交渉の経緯⑥他の労働組合または他の従業員の対応⑦同種事項に関する我が国社会における一般状況等を総合考慮して判断すべきである。(第四銀行事件)】

上記に該当すれば、就業規則の不利益変更をする場合でも各従業員の個別の同意を得る必要は無いということになります。ただ、この場合も、就業規則が変更された場合でも労働契約の内容を変更しない旨を労働契約で定めた場合には不利益変更することはできません(労働契約法第10条但し書き)。

以上が就業規則を変更する手順と注意点になります。

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